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2008年1月16日 (水)

旅は苦しきもの

 漢文の授業で劉禹錫の「秋風の引」を教えていて気づいたことがあります。この詩は、

   何れの処よりか秋風至る       どこから来たのか秋風は

   蕭蕭として雁群を送る           ものさびしげに吹いて雁の群れを見送る

   朝来庭樹に入り                     今朝がた庭の木に吹き込んだのを

   孤客最も先に聞く                  一人ぼっちの旅人が最初に聞いた

というのですが、最後の「孤客最も先に聞く」の解釈を問うように教師用マニュアルには書かれているのです。秋風の訪れを最初に聞いたのが一人旅をする作者自身だというわけですが、このことを中学生に考えさせるには色々な手続きが必要なようです。

 私たちにとって旅は楽しいものであり、お金を払ってまで行きたいものです。中には交通不便な観光地を敢えて選んでいくこともあります。しかし、この詩の作られた唐代において、旅とは辛苦をともなうものであり、できればやりたくないものであったということを考えなくてはなりません。まして一人旅ならば、その心細さはさらに大きいはず。そうした中で神経を過敏に働かせている人物は季節の変化を敏感にとらえたはずです。こうした感性は和歌の世界にも継承されていますので、古典を味わうための大事な要素ということになりましょう。

 旅することが楽しいことになった現在のありかたこそ、人類史上きわめて新しいものであること考えなくてはなりません。

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