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2008年8月19日 (火)

読書感想文で遊んでしまおう

 全国のこどもたちが夏休みで最もいやなものといったら宿題かもしれません。その中でも読書感想文は苦手な人が多いのでは。あんなのを書かせるから読書嫌いが増えるんだという批判も前々からあります。ですがこれが一向になくならないのは、やはりそれなりに意味があるからなのでしょう。私は国語の教員ですので休み明けにたくさんの感想文を読みます。自分で出題したのだからそんなことを決して言ってはならないのですが、概してつまらない仕事です。いやいや書いている文章をいやいや読むのですからこれほど非生産的なことはありません。

 そこで提案です。今年の読書感想文はぜひ書き手の方も楽しんで書いてみてください。すばらしい感想文が集まれば、その読み手である全国の教員たちの士気を高めることになりますのでこれは日本の教育のために貢献できるわけです。大げさですが。

 まず本を読まなければ話は始まりません。感想文を書くのには半日はかかるかもしれませんので、少なくとも8月30日までには一冊読んでおくこと。短編小説でもかまいません。それなら数時間で読めます。
 次にメモ用紙(でもなんでもいい)に次のように書いてみてください。

 (小説の場合)
 ●本のタイトル
 ●作者名
 ●最も感動した(印象に残った)場面
  もしくは疑問に思った場面
 ●注目した登場人物の性格・いわゆるキャラ(主人公だけでもいい)

 以上をメモしたら、次のように考えます。
 
 もし主人公(もしくは特定の登場人物)が自分だったらどのような行動をとるか。つまり一種のRPG(ロール・プレイング・ゲーム)です。小説では最後に恋人のために命をささげた主人公がいたとします。でも、それが自分なら、恋人も救い、自分も生きる道を探るとか、恋人はあきらめるとか自由に考えます。
 つまり登場人物と自分の生き方・考え方との比較をしてみるのです。大体違うはずです。小説はクライマックスを作るために極端な人物造形をするのが普通ですから。

 次に、主人公がどうして自分とは違う行動をとった(とらざるを得なかったのか)を考えます。貧乏だった。プライドが高かった。そういう時代だった。周りの人物との関係でそうなったなど、原因はいろいろあります。それを考えてみましょう。それらは自分と主人公との置かれている世界の違いを考えることになります。

 それらが考えられたら(メモや図示をしておくといいのですが、なくてもいいでしょう)、文章の設計図を立てます。

例えば、

①主人公はこういう場面で、こんな行動をした。(これは読者のためのサービスです、あらすじをすべて書かなくてもいい。)
②私だったらこういう行動をするだろう。
③それは、主人公のこういう考え方、あるいは周囲の環境によるのだろう。
④それは私の日常生活とこれだけちがう。
⑤主人公のような生き方を読書で体験したことに価値がある。

といった感じです。それぞれを一つの段落で書けばいいでしょう。あくまで主人公の立場・境遇になりきってその役を演じる気持ちで考えることが大切です。
 絶対にあらすじの紹介だけで終わることがないように。それが一番退屈な感想文です(正確には感想文ですらありません)。逆にいえばあらすじなんか書かなくてもいいです。感想文は自分の感想を書くのが趣旨ですから、自分のことを書かないのはそもそも問題外です。
 感想文は文学研究や書評とも位置づけが違います。それらは客観性が求められ、いろいろな反論に耐えるべきものである必要があります。対して感想文は自分の価値観で好き勝手に書けばいいのです。

 読書感想文というRPGを楽しんでください。そして新鮮な価値観を全国の教員たちにぶつけてみてください。これでお互いに楽しめます。

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