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2009年1月 2日 (金)

WALL・Eのメッセージ

 昨日、妻とディズニー映画のWALLE(ウォーリー)を観てきました。CGを駆使したロボット映画ということでしたが、子供向けの装いをとりながら、多くの文明批評を込めたなかなか深い作品でした。

 数百年後、人類は地球上をごみだらけにしてしまい過度の環境破壊ため生活できなくなります。そのためロボットたちが管理する快適な大型宇宙船で宇宙を旅することになった人類は数百年の飛行の中で、自分で立つことさえ、そして周囲の人間と直接話すことさえできなくなります。WALLEは地球上に残されたごみ処理ロボットですが、ごみの中から見つけたビデオでミュージカルを観たことがきっかけで人間的な感情を身につけていくのです。だれかと手をつなぎたいという純情を抱き始めます。

 人間が感情をなくし、ロボットが逆に他者との心の交流を求めるようになるという逆説的な設定が、このファンタジーの大きな特徴といえるでしょう。機械は私たちの生活を便利にするために人間が生み出したものですが、その機械の発達によって人間関係が希薄になったり、疎外感を覚えたりするようになったというのがこれまでの考え方です。この映画では、逆に機械が人間として生き方を思い出させるという設定になっています。

 このあたりの設定はちいさな子供にとっては難しいかもしれません。愛くるしいキャラクター設定や巧みな画面構成で観客を飽きさせることはありませんが、退屈におもった子供も多かったようで、途中で泣き出して退場したり、終演後よく分からなかったという小学生の声も聞きました。人間疎外の現代社会に対する批評としてこの映画を捉えるならば決して子供向けではありません。

2008年10月13日 (月)

最後の初恋

 先日、妻と映画「最後の初恋」(原題 Night in Rodanthe)を観てきました。リチャード・ギアとダイアン・レインの共演で大人の恋の物語とあって館内は年配の方がほとんどでした。
 夫の浮気が原因でくずれかけていた家族の絆に悩むヒロインの元に、優秀な外科医でありながら医療事故で患者を死なせてしまい訴えられている主人公が訪ねてくるところから物語が展開します。互いの悩みが分かり、ハリケーンが通り過ぎた後、二人は急速に接近し将来を誓うまでの中になります。そして、ふたりがわだかまりをもっていたものに対してそれぞれが解決の道を見つけるのです。わずか数日の甘い日の後、再開を約して別れるにですが、その先には永久の別れが待っていました。
 「マディソン郡の橋」や最近観た「いつか眠りにつく前に」に共通する運命的出会いと、その後の悲劇というパターンですが、本作では悲劇の後、それまで反抗的だったヒロインの娘が母の心情を理解しようと懸命になる姿を描き出しているところでしょう。くずれかけた家族の関係を、結果的に「不倫」が立ち直らせることになったのです。邦訳「最後の初恋」はなかなかうまくつけたと思います。Rodantheはふたりが出会い愛を育んだ海辺の旅館があった場所の地名です。

2008年5月11日 (日)

木村拓哉総理大臣ドラマの背景

 明日から始まるフジテレビの月9ドラマ「CHANGE」では木村拓哉演じる主人公が小学校教師から政治家に変わるいきさつがメインの筋になっているといいます。政局が不安定な中、際物の内容なのできっと高視聴率になると思います。
 さて、このドラマの設定は主人公の政治家の父親が急死したことにより、選挙に駆り出されるというものです。政治の世界が世襲で動いていることは昨今の実際の総理の経歴を見れば明らかですが、でもなぜか寂しい気になります。結局人材不足なんだなと思ってしまうのです。
 実際の次の総理がだれになるか分かりませんが、日本の政界にもっと優秀な人材が増えることを祈って止みません。

2008年3月17日 (月)

魂の形―ライラの冒険

 映画「ライラの冒険」を観ました。ファンタジーなのでこどもばかりかと思いましたが、私たち夫婦が観た回は大人ばかり、若いカップルもいましたが年配も多かったと思います。ロード・オブ・ザ・リングやハリーポッターシリーズ、ナルニア国物語など数多くのファンタジーが公開されていますが、この映画もそれらと同じように最新の特撮技術を駆使した作品でした。パラレルワールドというこの映画独特の世界観は、原作を読んでいないと(私もですが)少々理解が難しいと感じました。
 さて、この映画の特徴は主人公ライラの住む世界では魂が自分の外部にあり、それが動物の形で現れるという設定にあります。それをダイモンといいます。ダイモンはヒョウであったり、サルであったり、狼であったり、あるいは蟷螂などの虫であったりします。人間だけがダイモンを持ち、他の動物にはいないのです。また子供ころはダイモンの形が不安定で、色々な動物に変化しますが、大人になるとその人の性格によって一つの動物になるといいます。これは魂のあり方を示すものです。
 私たちの大問題として、魂が存在するか否かという問題があります。魂は肉体のどこにあるのか、肉体が滅びても魂は存在するのか、それがとても大きな問題といえます。この映画では魂を外在する可視的な動物とし、生命の断絶とともに一瞬にして消え去るという形で表現しています。もちろんそれがファンタジーたるゆえんなのですが、魂のあり方を考えるいいきっかけになりました。
 さて、映画の原作は3部作です。今回の「黄金の羅針盤」も未完で多くの伏線を残したままエンドロールがながれます。続編にも期待しましょう。

2008年3月 4日 (火)

いつか眠りにつく前に

 先日、妻の推薦で、「いつか眠りにつく前に」(原題Evening)という映画を夫婦で観て来ました。ヴァネッサ・レッドグレイヴとメリル・ストリープという大女優とその実の娘が競演していることや、主人公アンのクレア・ディケンズの演技が光っていた感動作でした。
 アンは死を間際にして過去の過ちを思い出します。それは親友の結婚式でであったハリスという男とのつかの間の恋です。ただその思い出には、彼女を思いながら、その愛が受けれいれられず思い悩むバディという親友の弟の死という悲しい思い出がぴったりと張り付いているのです。
 臨終に何を思うか。それがこの映画のテーマです。人生にはその多くを占める日常と、一瞬のきらめきを放つ非日常があって、場合によってはその非日常の方が心の奥で意味をなしていることがあるようです。かつて「マディソン郡の橋」という映画でも同じようなテーマが取り上げられていました。
 あまり話題にはならなかったようですが、お勧めの映画の一つです。

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